飼育に必要なもの

オカヤドカリを飼う前に、揃えないといけないものが色々ある。
犬や猫などと異なり、人間の生活環境に順応しない生き物は、自然に近い環境を人工的に作ることになるので何かと入り用。

よくペットショップなどで販売されているオカヤドカリの生体が入っている飼育セットは、総じて水槽の大きさに対してオカヤドカリの数が多く、理想的な環境とは程遠い。

必須アイテム

オカヤドカリの飼育で最低限必要なアイテム。

水槽・床砂

容器は水槽でなくても良いのだが、床砂の厚みを10~15cmにして、そこへ流木などを設置することを考えると、やはり水槽は理想的。
ただし、60cmのガラス水槽だと、それだけで15kgほどの重量があり、そこへ床砂を15cmほど敷けば軽く30kgを超え、一人で水槽を移動させることが困難な重さになるので、飼育する個体数だけではなく、メンテナンスや設置場所などを含めて水槽の大きさを決めないと、後から大変なことになる。

砂には様々な種類があり、粒の大きさも異なってくるため、「オカヤドカリ用の砂」を使用するのが手っ取り早い。
市販の「オカヤドカリ用の砂」はサンゴ砂を使用しているので、サンゴ砂として販売されているものでも可。
ただ、サンゴ砂には大きさがあり、Sサイズ(2cm)程度の個体であれば、パウダーと表記されている1mm程度の細粒を多めにしたほうが潜りやすいので良いかも。

問題は砂の価格。
市販の「オカヤドカリ用の砂」は1kgあたり400円前後で、床砂を15cmほどの厚みにするなら60cmサイズの水槽で最低16~18kgは必要になるため、砂だけで6000円以上の経費がかかる。
ネットで探せば、1kgあたり300円未満で沖縄のサンゴ砂を直送してくれる業者があったり、フィリピン産で1kgあたり150円くらいのものもあるが、それでも2400~3000円は必要。

珪砂だと安価なのだが、普通に販売されている珪砂は建設用のものが多く、保管状態の問題もあり、生物への使用を禁止しているものもあるので注意が必要。

水・餌入れ

オカヤドカリは呼吸する際に水分が必要なため水場は必須。
ただ、容器が軽いとオカヤドカリにひっくり返され、容器が深すぎると小さな個体が溺れてしまい、オカヤドカリの爪が引っかからない形状や素材のものも不向き。
で、理想的な形状をしているのは、ポリレジンで出来ている爬虫類用のウォーターディッシュ。

ポリレジンは疑似陶器として使用されるプラスチックで、貝殻や卵の殻の主成分になっている炭酸カルシウムとポリエチレン樹脂を混ぜたもの。
陶器と似たような仕上がりになり、重量もあるので引っくり返されることもない。
ただし、ポリレジンは耐熱性がないので煮沸消毒は避ける。

貝殻は宿替え用として水槽内に置いておくのだが、何でも良いというわけではなく、大きさや入り心地など、宿替えの際は吟味に吟味を重ねて決めるので、設置した貝殻が利用される保証は全く無い。
一方、気に入った貝殻を見つければ、設置した翌日には宿替えしていることもあったりする。
貝の形状については、丸いほうが何かと便利な気もするが、長い貝を背負っているのもいるので、取り敢えずオカヤドカリに選んでもらうしか無い。

推奨アイテム

飼育環境を良くするためのオススメアイテム。

温湿度計・棒状温度計

温湿度計は水槽内の気温と湿度管理に必須のアイテム。
水槽用の温湿度計も販売されているが、卓上タイプの温湿度計にはキスゴムで取り付けできるタイプのものもある。
オカヤドカリは意外とアグレッシブで、流木から天井伝いに温湿度計のところまで行き、温湿度計に乗って暴れたりするので、念のために電池を使わないアナログタイプを使用。

棒状温度計はヒーター使用時などで、床砂内部の温度を確認する際に使用する。

ヒーター・ハイドロメーター

沖縄は冬場でも平均気温が15℃以下にならないので、水槽内の気温も20℃以下にならないよう調整が必要。
水槽を設置している部屋の温度を常時20℃以上に維持するか、ヒーターや断熱材を用いて水槽内の気温を上げることになる。

ハイドロメーターは「人工海水」を作る際に必須のアイテム。
オカヤドカリは海水を摂取する。
海水からミネラルなどの成分を吸収しているらしいが、見ていると真水よりも海水を飲んでいるというか、摂取していることのほうが圧倒的に多い。

どうやら真水は呼吸するのに必要だが、飲むなら海水のほうがお好みらしい。

シェルター・流木

シェルターはオカヤドカリが身を隠す場所として必要なのだが、一般的な半円のドームタイプのものでなくても、流木と流木の隙間や珊瑚石の陰など、「潜める」場所をいくつか作ると、それぞれ好きな場所に身を隠している。
ちなみに完全に身を隠せる半円タイプの流木を設定しているが、全く利用されていない。

オカヤドカリは穴掘りと木登りが得意で、枝状の流木を設置すると、いろいろと利用してくれる。
ただ、流木は値が張る。
安定感があって枝ぶりの良いものなどは、アク抜き済みで数千円するので、取り敢えず1本千円程度の流木を工夫して設置するのが良いかも。

便利アイテム

主にメンテナンスの際にあると便利なアイテム。

スコップは床砂の入れ替えに必須で、「土入れ用スコップ」で水槽の大きさに合わせて選ぶのがポイント。

洗濯ネットは床砂を湿らす際の水切りに利用したり、洗った床砂を天日干しする際に使用するので、ネットは砂がこぼれないよう細目の大判サイズがおすすめ。

霧吹き・ピンセット

霧吹きは普段の湿度調整に、ピンセットは床砂に散らばった食べ残しや糞の処理に使用。

水槽のフタ

オカヤドカリはアクロバティックで意外と力もあって、フリークライミングも得意なので、水槽にフタがないと脱走を図る。
水槽にはガラスのフタが付属しているものの、ガラスのフタでは完全に塞ぐことができず、通気性も悪いので、木枠のネットがおすすめ。
乾燥する時期であれば、ネットの上にガラスのフタを置くなどして調整も可能。